日記

こんばんは。僕がツイッターから姿を消し、一体どれほどの年月が流れたでしょうか。

えっ、まだ二日？

デジタルデトックスは順調に進み、YouTubeの支配からも脱しつつあります。

しかしなぜか、その分作業が捗っているとは到底言い難く、同人誌の字コンテを書いたのみでほとんど絵の作業は進捗がありません。

では何をやっていたかというと、弟の本棚から『熱帯』(著・森見登美彦)をサルベージし、鬱屈した高校時代に思いを馳せ、また作中でたびたび触れられる『千一夜物語』の文庫版を購入し、頑張って読んでみたりしています。

千一夜物語、アラビアンナイト。読んだことあります？僕はありません。なかなか新鮮な気持ちで楽しく読んでいます。たとえ読んだことがない人でも、アラジンやシンドバッドは誰でも知っているヒーローですし、少し詳しい人ならシェヘラザードのことも知っているかも。

これも作中で語られていることですが、千一夜物語には訳者によっていくつもの版があります。熱帯で主に引用されているのは、フランスのマルドリュスという人が訳したものを日本語に重訳したものです。マルドリュスサディスティック

コチラは読み物としては面白いものの、いささかマルドリュスによる脚色が多く、原典の姿をそのまま伝えているわけではないそうです。有名なアラジンもシンドバッドも、実は原典には存在しない追加DLCキャラだそうです。

僕が購入したのは、それとは違う、イギリスのバートンさんが訳したものです(ちくま文庫から出ています)。

バートン版の特徴、それは、エロいことです。ギャハハ

バートン氏がえっちなのが読みたかったから、そういう描写もありのまま、むしろちょっと強化して訳したそうです。氏曰く、エロティックは絵画における陰影のようなもので、物語を対照的に際立たせるとかなんとか。前書きで4ページほど使って、セックス描写を盛ることの自己弁護をしていたので、ウケました。

「汝に関わりなきことを語るなかれ、しからずんば汝は好まざることを聞くならん」という詩が熱帯でたびたび取り上げられるのですが、これが登場する段が序盤で出てきました。

ある荷運び男が街で美女に声をかけられ、魅了されたまま一日中買い物につきあわされて荷物持ちをやらされ、やっと彼女の家に着いたと思ったらその女の姉妹二人も出てきて、労いに彼女たちと楽しくパーティをする、といった話なのですが、恐ろしく卑猥なやりとりが交わされます(歓喜)。

酒を飲みながら水浴びをする女が、男に身を預け質問します。

「ねえあなた、この品物の名はなんというの？」

そして彼女の細長い切れ目を指しました。

さて、細長い切れ目とは、当然陰部のことです。

男は思いつく限りの言葉で(玉門、子つぼ、ぼぼ、おま○こ)答えますが、女はどれも不正解だと笑って男をビンタします。男は降参して答えを聞き、女は独特な言葉(多分造語)を教えます。このやりとりを3人分やってから、最後に男がちんちんで同様のことをやって、女たちは今日一番の大ウケをします。

といった具合で、まあ〜めっちゃ下ネタが多いです。こりゃ子供には読ませられんわ。

下ネタな上に、昔のアラブ人のセンスとかノリがわからんのでかなり困惑します。

訳者のバートン氏は、普段はしか爪らしい顔で腕を組んでいるアラブ人も、セックスの話が出た途端に腹を抱えて笑い転げる(アラーに許しを請いながら)と体験談を語っていますが、本当なら下ネタ好きすぎ民族っすね。

まず、千一夜物語の始まりから、20人での乱交パーティですから。

あるところに兄弟の王様がいました。彼らは特に欠点のない王様で、それぞれの領民からの信頼も厚い賢王でした。

さて、ある日弟王が妻に浮気され、鬱になります。妻とその浮気相手の黒人のコックは一刀の下に切り捨てます。

弟は病んだまま兄王の宮殿で過ごしていましたが、兄の妃とそのお付きの妾たちが白人奴隷たちと乱交するのを見てしまい、俺の不幸なんて大したもんじゃないなと立ち直ります。

ちなみに、兄の妃の浮気相手は、またしても黒人です。注釈によると、アラブ人男性はみな短小なので、黒人ちんちんにNTRされがちだそうです。まごうことなき人種差別だぁ…(恍惚)

んで、弟はそのことを兄にチクるんですけど、それがきっかけで兄はえげつない女性不信に陥ります。妃と妾を皆殺しにしたのち、大臣に命令し、国の若き処女を毎晩連れて来させ、一夜限りの妻としたのち、朝がきたら首を刎ねるというスゴい報復を開始しました。

国がグチャグチャになるのを見兼ね、大臣の聡明な娘が王の妻に立候補します。彼女こそ千一夜の語り手、シェヘラザードです。

まだ1巻の半分しか読んでないんですけど、先が気になる構成になっていて、そのうち揃えるかもしれません。1冊1400円もするので困ってます。

日記でした。終わり